【東雲】映画にもなった「モンテッソーリ子どもの家」ってどんなところ?

「モンテッソーリ教育」って聞かれたことありますか?「〇〇教育」っていうものっていろいろあるんだな、と育児をするようになってから初めて気づかされたのですが、当然、モンテッソーリ教育のことも親という立場になるまで知りませんでした。

モンテッソーリ教育が最近有名になったのは数年前、藤井聡太さんが将棋の最年少プロとなったときに「幼少期に受けた教育がモンテッソーリ教育だった」ということでメディアなどでも取り上げられていたことが記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。海外では マイクロソフトの創業者ビルゲイツ、Googleの生みの親ラリー・ペイジ、英国王室のウィリアム&ヘンリー王子、Facebookの創設者マークザッカーバーグ なども同教育方法を受けられていたということです。

さて、そんな「モンテッソーリ教育」を実践する幼稚園類似施設が 東雲にある「しののめモンテッソーリ子どもの家」です。

(※幼稚園類似施設というのは学校教育法上文部科学省に認定されていない園の総称です。機能的には幼稚園とは変わりませんが、認可を受けていないことを法的に区別するための呼称となっています。)

今回は三井園長先生にお話をお伺いしてきました。

こちらの園舎は2021年4月で4年目を迎え、それまでは新浦安で1990年から、モンテッソーリ教育の園をされていました。現在は江東区東雲だけでなく、豊洲、有明、門前仲町、中央区の月島や勝どき、浦安市から通園されているお子さまもいらっしゃるそうです。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。歩くことを教えなくても、歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながら様々な事柄を吸収していったりする姿は、子ども自身が自立に向かって、成長・発達していこうとする姿のあらわれといえます。この内在する力が存分に発揮できる環境と、自由が保障された中で、子どもは自発的に活動を繰り返しながら成長していきます。

モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。その目的を達成するために、モンテッソーリは子どもを科学的に観察し、そこからえた事実に基づいて独特の体系を持つ教具を開発するなどして教育法を確立していきました。その教育法の確かさは、現代の大脳生理学、心理学、教育学などの面からも証明されています。

100年以上経った今でも時代や文化の違いを超えて世界中で支持され、現在世界140以上の国にモンテッソーリ実践園が存在しているといわれています。そしてその実践の中から世界をリードする人々が数多く育ってきています。(日本モンテッソーリ教育綜合研究所HPより)

「子どもの家」とは幼稚園とどう違うの?

機能的には同じです。前述しましたように、公認でないため呼び名が「幼稚園」とはなっていませんが、3歳から6歳の子どもが通う幼稚園に準ずる施設です。

多くの園と異なるのは、下記のポイントだそう。

  • モンテッソーリ教育の理念に基づく保育内容
  • 少人数制 こちらの園では1学年の定員が18名に設定されています。
  • 縦割り保育 異年齢の子どもと接することで年上の子は小さい子を助けたり、お世話をしたり、その体験から思いやりや優しさが育ちます。年下の子は年上の子を目標として成長し、活動を広げます。
  • 一人ひとりの個性を尊重 個々の発達の段階に相応しい教具や教材を準備
  • モンテッソーリの資格を持った教師が1クラスを複数名で担当します。 

よくある質問はこんな感じだそうです

Q:モンテッソーリ教育というと静かに座って細かいことをするイメージです。活発な子どもには向かないのでは?

A:子どもは元気に体を動かすことも大好きですが、机に向かって集中して行う活動も大好きです。静の時間と動の時間をバランスよく保つことで子どもは一層生き生きと活動します。

Q:ずっと室内でモンテッソーリ活動ばかりをしているのですか?

A:いいえ、モンテッソーリ活動の時間は毎日登園後1~2時間ありますが、お天気の良い日は毎日1時間程度の外遊びの時間もあります。他にも運動会や発表会などの季節の行事の練習や、絵画・英語・リトミックなどの専門の先生からの指導の時間もあります。

Q:小学校受験向けの幼稚園なのですか?

A:いいえ。私立小学校へ進学するお子様もいらっしゃいますが、大部分は居住地域の小学校へ進学します。

園内の様子からは子どもたちの のびのびとした姿が

ちょうど「モンテッソーリ活動」の時間に園内を見学したところ、シーンとしすぎず、だからといって決して騒がしいわけではなく、約50名の子どもたちが2クラスに分かれて、個々にやりたい「おしごと」(モンテッソーリでは教具での活動を「おしごと」と呼ぶそうです)に取り組んでいました。

教具の棚

黙々と細く切った画用紙を編んで、バッグのような作品を作っている子、何人かで集まって塗り絵?と思ったらこれは「日本地図」を作っているのだそうです。先生とマンツーマンで長い棒(モンテッソーリの教具で数の棒といって、数と量を一致させる目的があるそう)を並べている子、かと思えば、お友達が何してるのかな~とあちこちのお友達を見学して回る子・・・。

ステップアップや新しい発見のために「これやってみる?」と提案することはあるようですが、「これをやりなさい」という強制は教師の方からはしないそう。それでもお友達がやっているのを見て興味を持って自分もやってみようと思う子ども同士の刺激ってすごいんですね。

「お友達がやっているのを見ることも大切な時間、すぐに手を差し伸べるのではなく、本人のタイミングを待ってあげることです」と三井園長先生。「声をかけて大人が決めてしまうと子どもにとってはその方が楽なので、自分で決められなくなってしまう。自分で決めるという喜び、渡されてやるのではなく自分の興味や意思でやるということが自信につながり、自信が持てると苦手なことにも挑戦してみようという気持ちがわくんです」と。「待つという大人の忍耐力も必要ですね」と言われ、日々「早く、早く」とせかしている自分の育児を反省・・・。

教室内にはいろいろな教具があり、どの「おしごと」を選ぶかは子ども次第、対象年齢も2歳児程度~小学生レベルまでの教具があるので個々の発達段階に応じて興味を持った時期(モンテッソーリでは敏感期と呼ぶそう)に、ちょうど良い専門の教具と出会え、どんどん進める子も。一人ひとりの力に合わせて好奇心ややりたいという気持ちに合わせて活動できるそう。さらにモンテッソーリの学校に通って実践を積んできた専門の教師ばかりの環境なのでどの先生についても同じように説明をしてもらえるそう。

毎日1~2時間このような環境に身を置けるのは、習い事で週1回1時間、などと通うことを思うとなんて吸収のあることなんだろうと実感しました。

なにより感じたのは、子どもが主役ですからという先生方の優しい眼差しです。それに、子どもたちがとても楽しそうに自ら進んで「おしごと」を選んでいたこと。やらされるという強制ではなく自らの好奇心で一つのことにじっくりと取り組んだり、次々と新しいおしごとを試したり。1つずつしかない教材を取り合いになることもなく、誰かが困っていれば助け、小さい子が年上の子のしていることをじっと見て学ぶ姿などはまるで大きな家族のような雰囲気でした。核家族化が進み少子化の今、たくさんの異年齢の子と過ごす環境って少なくなっているのかもしれないですね。小さい子が大きい子に憧れて同じようにしたいと思うこと、大きい子が小さい子に対する思いやりなど、短時間の見学でしたが、ふとした瞬間に垣間見ることができた気がしました。

数えきれないほどのたくさんの「おしごと」がありました。

壁に展示してある作品も、とても園児が作ったものとは思えないほどの力作!細長い画用紙を織り込んで作っているそうです。色選びにも個性が出ていますね!

映画「モンテッソーリ子どもの家」

2021年2月19日に公開となる映画「モンテッソーリ子どもの家」では2年3か月間の子供たちの成長の様子を追ったドキュメンタリーとなっているようで、こちらを見るとモンテッソーリ教育への理解が深まりそうですね。

https://montessori-movie.jp/

予告編と本編スペシャル映像を見ましたが、見学したのと同じような教具があったり子どもたちの様子も同じようで、子どもたちの潜在能力ってすごいなぁと思いました。

モンテッソーリ教育について詳しく知りたい方には

もっと詳しく知りたい方は、「しののめモンテッソーリ子どもの家」移転前の「新浦安モンテッソーリ子どもの家」に密着した本が出ているのでこちらから教具の紹介や園の生活などをご覧いただけます。



0歳~の幼児教育のお教室「マックス幼児教室」も同じく東雲にあるので、小さいお子さんのモンテッソーリ教育のお教室をお探しの方はそちらもご覧ください。

湾岸地区幼稚園情報の口コミはこちらから

 

施設情報

しののめモンテッソーリ子どもの家

〒135-0062 東京都江東区東雲2丁目3−22

https://www.montessori-macs.com/index.html

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